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濱野 美津男

              (写真愛好家)

写真と作品の違いは十分理解しいるつもりでしたが、今回指導を受けた先生はカメラの中で作品にするまでを完結していたので、驚きました。

外部ソフトを使うのではなく、カメラの持つ機能をフルに活用する撮影方法は、加工に当たらないというお考えのようです。
私は今までJPG写真とは殆ど撮って出しのカメラ内部の画像処理プログラムが機械的に写真に仕上げたものであり、撮影者の細かな意思表示を強調するにはどうしても現像が必要だと考えRAWでの撮影に拘ってきました。
勿論JPGの画像も同時に残しますが、殆ど撮影時の色の確認程度にしか使っていなかったのです。
その為、作品に仕上げるにはPCで現像ソフトを立ち上げて大きな画面で入念に細部までチェックして自分の感じた世界を表現する手法を取ってきたのですが、先生のやり方は私の方法とは真逆で戸惑いましたし、未だに受け入れにくい感情も残っているのが正直なところです。
勿論 多重露光で撮ると自動的にJPGになるのでこの方法しかないのかもしれないのですが・・・
そしてホワイトバランスの機能をまるでカラーフィルターを使うかのように操作していたのにも驚きました。
カメラ機能や関連操作については随分と勉強をして理解をしていたつもりでしたが、逆にその事が固定概念に囚われる結果になっていたような気がして大いに反省しています。
何事にも、もっと柔軟に対処しなければいけませんね。
話が反れてしまいましたが、今回の先生は多重露光の機能を発展的に利用して自分の「心象写真」の作品創作に生かしておられる方でした。
多重露光で一番先に思い付くのは帽子などでレンズを隠して花火を撮影する方法ですが、それでは花火の配置を表現するのが精々ですね。
先生が実践しておられるのは其れとは別で、カメラの機能に備えられている多重露光を二枚だけ利用する方法です。
簡単なモノでは2点ピントと呼ばれる撮影法で、一枚目と二枚目のピントの位置を変えることで一枚の写真に二か所ものピント位置がある不思議な作品に仕上がります。
次は背景の工夫です。
普通に撮れば暈すくらいが限度なので一枚目でピントを外し、二枚目ではジャスピンの写真を撮ることで、効果がより高まります。
更に効果を上げるには一枚目を撮る時にブレを入れたりもするようです。
しかし、この方法ではどうしても主体となる被写体も影響を受けるので最近は一枚目を撮る時に主体となる部分を隠して露光を防ぎ、二枚目で主体を写すことで、作品としてのグレードが高まったと言われてました。
まだまだ確立した技術では無いため毎回が手作り感覚でどんな作品に仕上がるのか予想が立たず、ワクワクすると仰られてました。
他にも色々な技法を編み出されたらしく、絶えず作品作りの工夫挑戦されている御様子に尊敬をしてしまいます。
私はと云えば精々が「様を撮ろう」と心掛けているだけなのに遥か上のお考えに及びもつきません。

 

​写真への考えは柔軟に

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