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カメラとは・写真とは

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​濱野 美津男

              (写真愛好家)

.2021年の正月休みにこんな基本的なことを考えなおして見ました。

カメラとは、原理的には風景や事象・人物の動きなどの瞬間的な時間経過を画像として残す装置なので、単にシャッターを押すだけではその瞬間の記録しか残らないのだが、カメラやレンズの持つ特性を駆使して自分の感動や印象を巧みに写し込むことに依り芸術性を持つ作品を創り上げることも出来るようになる。
その為、先人達は自分らしい作品を創出するために色々な工夫を加えて来たのだが、その手法は多岐に渡るため全てが後世に伝えられているとは言えず謎に包まれたものも少なくない。
しかし、機材の方ではメーカーの売らんかな精神に依ってかなり浸透しているものが多い、例えばフィルターやストロボなどは少しずつ改良が加えられながら進歩を遂げて、今ではその全てを把握できない程に増えているほどである。
売りやすい物については確かに研究が進み改良が加えられてはいるものの、どういう訳かとても使い勝手が悪いにも関わらず、見落とされて改良の路線から外れてしまっているものも少なくないと感じる。
例えば近年はカメラマンの多くが一眼レフのカメラを使っているのにレンズ交換のやり難さを訴える声は聞いたことが無い。
私は特に不器用なのかもしれないが、交換の際にレンズが手元から落下し、苦い思いをしたことが何度もある。
元々レンズにはフロントとリヤの両方にバヨネットタイプのキャップが付いていて交換時には少なくとも取り付けようとするレンズのリヤのキャップ取り外しておく必要がある。
それを外したレンズに付け治して収納し、新しいレンズをカメラに取り付ける訳だが、この動作を手だけで熟すとすれば3本の手が必要になるのにお気づきだろうか?
交換前後にレンズを一時保管できるものが無ければどうしても3本の手が必要になり、私の場合は外したレンズを小脇に抱えて交換作業をしたために悲劇に見舞われたのですが、恥だと思うのか其の事を書いている記事は見たこともありません。
おまけに交換時にはレンズとカメラに塗装で付けられているだけの合わせマークの位置でしか嵌め込むことが出来ず、暗い場所での交換には苦労をします。
交換後もフロントキャップとフードの処理が両方のレンズで必要になるため結構な手数が掛かります。
この問題の解決にはカメラとレンズの前後にシャッターを付けることで大半が解決できます。
レンズを外した状態でもシャッターがあることでゴミの侵入を防げるので取り換え作業を落ち着いて対処でき撮影者もレンズ交換の煩わしさから解放されるため集中力を削がれることも無くなり撮影に没頭できるようになります。
他には三脚などにも開発の必要性を感じています。
最近ではクイックシューが普及してかなり便利にはなりましたが、取り付け方法はカメラの底に掘られた一個のネジ穴だけの為、撮影中に緩んでしまい思わぬ事態を招きます。
ネジ穴を増やすかダボ穴を用意すれば簡単に解決できることなのにその事を問題にする人も居ないのが不思議です。
本来はネジ穴を掘る方法ではなく、底の形状事態をアルカスイスのオス型にすれば済むのですが、そんな論議は起きないようです。
全体的に細かい部分に注目してもっと使いやすくしようという姿勢は無く、こんなもんだと見落とされていることが多いような気がします。
その風潮は利用者サイドも同じで、誰かが勝手に写真の常識を作り出して写真の楽しみ方を窮屈なモノにしてしまって居るようなことを感じます。

シャッターを切って記録したものは全て写真と云えるのですが、撮影の意図を反映していない物はコンテストに出す価値のある作品とは言えません。

家族やペットを可愛いからという理由だけで撮った物や若者が「映える」ことを目的に撮った物もコンテストのような芸術的な価値観を競う写真とは別物だと思うのです。
コンテストに不向きながらも自分や周囲を楽しませるだけの写真は他人に迷惑を掛ける行為以外は全くの自由です。
指導者の方々には変な誤った常識を押し付けて写真の世界を狭めるのではなく、基本的な撮影マナーからと云う考えで教えて戴ければ写真を楽しむ方の人口はもっと広まると思います。
意味のないローカルコンテストを増やして受賞意欲を煽るだけでは衰退の一途を辿るのは当然です。

真に写真の価値観を高めようとするならば審査基準を改めて芸術性の高さに的を絞るべきではないでしょうか?

撮影者にしか撮れない写真で、なおかつその心情が表現されていて鑑賞者が圧倒されるような力のある写真こそ高い評価を受けるべきだと考えます。

そんな高尚な作品だけを評価する風潮に戻せばまだまだ写真の将来は明るいと考えるのは私だけなのでしょうか?

​上記の写真は合成ではなく、特殊な方法で視界の外にある人形を写し込んで撮影したものです。

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